テニス学会会長挨拶

髙橋仁大(鹿屋体育大学)

 

2023年度より会長となりました髙橋仁大です.日本テニス学会は昭和63年に「日本テニス研究会」として設立し,平成6年に「日本テニス学会」と改称して現在に至ります.これまで会長を務められた方々はいずれも研究会設立時から本会に関わりのあった方ですが,私は学会となってから入会した世代です.そういった意味で,ここからまた新たに日本テニス学会の歴史を紡いでいく責務があるものと感じています.

 

さて,日本テニス学会はその目的を会則の中で以下のように謳っています.

 

「本会はテニスに関する科学的研究の発展に貢献し,会員相互の情報交換や成果の実用化を促進するとともに,国際交流を図ることを目的とする.」

 

この目的を達成するために,年1回以上の定期的学会の開催,会誌(テニスの科学)の刊行,その他の事業を行うこととしています.私がこれまで日本テニス学会に関わってきた経験を振り返ると,定期的学会の開催は「会員相互の情報交換」に,会誌(テニスの科学)の刊行は「テニスに関する科学的研究の発展」に貢献してきたものと思っています.一方で「成果の実用化の促進」や「国際交流を図る」ことについては,学会としての取り組みは十分であるとは言えないかもしれません.もちろん,各会員がそれぞれの立場でこれらの活動に取り組んでいるものと考えていますが,今後は学会として,研究成果の実用化や国際交流に取り組むことも必要かもしれません.

 

加えて,体育・スポーツ関連の学会の中での日本テニス学会の立場を考えると,こういった個別種目に関する学会は近年数多く設立されており,分野の多様化が進んでいるといえます.そういった中で日本テニス学会のプレゼンスをどのように高めていくのかということも,会員の皆様と考えていくことが必要かもしれません.日本テニス学会の特徴的な研究とはどのようなものか,皆様からの新しい発想を期待したいと思います.

 

 

そのためにもまずは,会員の皆様には定期的学会に足を運んでいただき,意見交換をしたいと考えています.皆様との交流を楽しみにしています.